胃がんの治療

胃がんの進行度

日本人は、がんの中でも「胃がん」が多いです。
男性の場合、1番に多いです。
女性の場合は、3番目に多いとされています。
毎年、検査によって新たに胃がんが見つかる人は、およそ10万人いるといわれています。
胃がんは、かつて死亡数でも1位でしたが、研究による進歩で最近では、死亡率が低下してきています。

胃がんは、進行の程度で治る率が違います。
したがって、ごく初期の早期がんと進行がんに分けて考える必要があります。
治療法も大きく違います。
そのため、検査でがんの進行を正しく調べ、その人にあった治療法を行うことがとても重要です。

がんの進行度を「ステージ」と表します。
一般的にステージが同じときは、治る確率はほぼ同じとされます。
胃がんのステージは、IA??に分類されます。
数字が大きくなるほど進行しているということです。
ステージを決めるのが、胃がんの「深さ」と「転移」です。
この2つの要素を組み合わせて、ステージを決めるので「深さ」が同じであってもステージが違う場合があります。

胃がんの深さ

胃がんの多くは、胃の内側の粘膜に発症します。
胃の壁の中を外側に向かって広がります。
胃の壁のどこまで深く進行しているかによって、次の4つの段階に分けられます。
T1・・・がんが、胃の粘膜にとどまっている状態です。
この段階が早期がんです。

T2・・・がんが、胃の粘膜の外側の筋層まで進行している状態で、まだ胃の表面まで出てきてない状態です。

T3・・・がんが胃の壁を突き抜けて、胃の表面に出ている状態です。
この段階になると、がん細胞が他の臓器への転移の可能性があるので治療が難しいです。

T4・・・胃がんが最も進行した状態です。
胃の近くにある他の臓器への転移が見られる状態です。

胃がんは、大きさよりも深さがとても重要なことです。
がんが小さくても奥深いときは、進行していることになります。

胃がんの転移の有無と程度

胃から離れた部分に病巣ができることがあります。
これが転移なのです。
胃の血液は、まず肝臓に流れるため、がん細胞が胃の血管内に入った場合、肝臓に転移する可能性が高くなります。
これと「肝転移」といいます。
また、胃の表面にできたがん細胞が飛び、周囲の小腸や大腸などにくっつくこともあります。
がん細胞が、種をまいたように散らばることから、「腹膜播種性転移」といいます。
胃がんの転移で一番多いものが、がん細胞がリンパ管に入り、リンパ節で増える「リンパ節転移」です。

胃の周囲のリンパ節は、胃に近いほうから、「第1群リンパ節」「第2群リンパ節」「第3群リンパ節」に分けられています。
そして、転移の有無や状態によってN0?N3の4段階に分けられます。
N0・・・リンパ節への転移が全くない状態です。
N1・・・胃に最も近い第1群リンパ節にがんが転移している状態です。
N2・・・胃から少し離れた第2群リンパ節にがんが転移している状態です。
N3・・・胃から遠く離れた第3群リンパ節にがんが転移している状態です。

転移のある臓器や遠く離れたリンパ節への転移の場合、全部切除することができません。
そのため、胃以外の臓器や胃から離れたリンパ節に広く転移している場合は、治る可能性が低くなります。

胃がんの進行を調べる

胃がんの進行を調べるには、「内視鏡検査」「画像検査」を行います。
<内視鏡検査>
内視鏡は先端にカメラが付いており、口から胃の中に器具を入れて調べます。
胃の粘膜の状態が直接見ることができるので、観察することができます。
そのため、色の変化などから胃がんの病巣を発見することができます。
また、粘膜の凹凸によっても胃がんの深さもある程度は、推測できます。

それに、内視鏡検査でもう1つ重要なことがあります。
病巣や粘膜を一部切除して、顕微鏡で調べる「生検」を行うことができます。
生検は1ヵ所ではなく、数ヵ所から取ることもあります。
生検をすることで、まずがんなのかどうかが分かり、がんの場合はがんの広がりもわかります。
また、がんが小さい場合、転移しにくい「分化型」なのか転移しやすい「未分化型」なのか見分けることもできます。

<画像検査>
リンパ節などへの転移を調べるには、画像検査を行います。
主に行われる画像検査は、「CT検査」「超音波検査」です。
肝臓への移転を調べるには、「MRI検査」をする場合もあります。

胃がんの治療法

胃がんの主な治療法は、「内視鏡治療」「手術」「化学療法」の3つです。
どの治療法にするかは、早期がんなのか進行がんなのかによって違います。
<早期がんの場合>
早期がんは治る可能性が高いので、体への負担が少ない「内視鏡治療」や、後遺症を減らすように切除範囲を小さくとどめる「縮小手術」が行われます。

<進行がんの場合>
進行がんは、転移や再発する可能性が高いため、できるだけ治せる可能性がある治療法で行います。
一般的な胃がんの手術以外に、大腸やすい臓などの周辺の臓器も一緒に切除したり、切除するリンパ節の範囲を広げて行う「拡大手術」もあります。
また、がんの転移している範囲が広く、手術で取りきれないなどのときは、「抗がん剤」を用いた化学療法を行います。
これらの治療以外に、「緩和手術」という治療法があります。
これは、治療を目的とはせず、「狭くなった胃を切除して、食事を通りやすくするなどの改善や、痛みを和らげることを目的としています。

胃がんの治療法といっても胃がんの段階によっても違うので、きちんと自分の胃がんの段階はどの程度なのか把握して、
どのような治療を行うと良いのか理解することが大切です。

内視鏡治療

内視鏡治療とは、早期がんの場合に行われる治療法です。
内視鏡という先端にカメラが付いている器具を口から胃に入れます。
お腹を切らなくても、胃の内側から胃を切除するなどの治療ができます。
そのため、体への負担は、とても少ないです。
他にもメリットがいろいろあります。
軽く麻酔もかけるため、痛みは最小限に抑えられます。
そして、後遺症もほとんどありません。
治療時間は、がんの大きさにもよりますが、およそ1時間です。

胃がんの内視鏡治療は、入院して行われます。
開腹手術より入院期間は短くなります。
内視鏡治療の場合の入院日数は、5?7日間ほどなので入院費用も比較的に安くなります。

内視鏡治療の適応

内視鏡の治療は、すべての人ができるわけではありません。
症状によって決まります。
内視鏡の治療を受けることができる人は、次の4つの条件をクリアしている人になります。
「リンパ節への転移がない」・・・内視鏡は胃の中のがんしか切除ができないためです。
「粘膜にとどまっている」・・・がんが胃の粘膜にとどまっている早期がんの人です。
「がんの大きさが2cm以下」・・・がんが2cm以上だと転移している可能性が高いためです。
「分化型」・・・胃がんは、がん細胞の形や並び方で分化型と未分化型に分けることができ、転移の可能性が低い分化型のときに行います。

しかし、この4つの条件をクリアしていても、内視鏡の治療が受けられない人もいます。
それは、「がんの中に潰瘍や潰瘍の治ったあとがある」場合です。
がんの中に潰瘍や潰瘍の治ったあとがある状態で切除すると、胃に孔が開いてしまう可能性が高いからです。
そして、内視鏡で切除したところは、潰瘍ができます。
胃の入口や出口の近くにある場合は、潰瘍の痕で狭くならないように内視鏡の治療を控えます。
また、内視鏡で見えにくいような難しい場所にあるがんも内視鏡の治療には適しません。

内視鏡の治療には、いろいろ条件などありますが実際には、医療機関などによっても違いはあります。
条件をクリアしていなくても内視鏡の治療をする場合があります。
それは、「高齢者」「心臓に重い病気がある人」などです。
開腹手術では、危険性の高い場合です。
治療の選択をする際は、しっかりと担当医師と相談をして決めることが大切です。

内視鏡治療のタイプ

内視鏡治療のタイプは、次の2つがあります。
<2チャンネル法(内視鏡的粘膜切除)>
この方法は、以前から行われている代表的なものです。
胃に内視鏡を入れて、がんを色付けして見やすいようにします。
そして、電気メスで切除する範囲が分かるように印をつけます。
場合によって、生理食塩水を胃の粘膜の下に入れ、切除をしやすくがんを隆起させます。
隆起したその部分を「スネア」という特殊な金属の輪をかけて締めつけ、がんを焼き切ります。
大きさによっては、1回で焼き切れないのでその場合は、がんを分割して切除します。
しかし、このように分割しては、がんを取り残してしまう危険性が高くなります。

<内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)>
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は、近年、開発された治療法です。
電気メスを用いて、がんがある胃の粘膜を剥ぎ取ります。
がんに色付けして、切除する範囲が分かるように印をつけます。
そして、生理食塩水を胃の粘膜の下に入れ、切除をしやすくがんを隆起させます。
切除は、印のつけた外側を囲むように胃の粘膜を切ります。
専用の電気メスで胃の粘膜の下の組織含め、がんを剥ぎ取っていきます。

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の場合、「スネア」をかけることができないほどの大きながんにも使用できます。
そして、がんの取り残しも少なくなります。
しかし、2チャンネル法(内視鏡的粘膜切除)と比べると、技術が難しく、治療にかかる時間も長めになります。
近年、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が、急速に広まっていため、今後は、この治療法が主流になっていくと思います。

内視鏡治療後にすること

手術などの治療後に、がんの取り残しがないかどうか調べるために「病理検査」を行います。
手術などで切除した組織を2mm間隔に切り、病理検査の標本をつくります。
それを、顕微鏡で観察して、切除した組織の端にがんがないかを見ます。
もし、組織の端にがんが見つかったときは、取り残しがあるということです。
その場合は、内視鏡治療や手術を再度行います。
そして、取り残しがなかった場合は、新たにがん発症もしくは再発などを早期で発見できるように定期的に検査を受けることをお勧めします。

一般的に内視鏡の検査による胃がん発見率は、0.05?1%です。
また、内視鏡治療を受けた人の場合、毎年およそ1.8%の人に新たな胃がんが発見されるという報告があります。
早期であれば、内視鏡治療を再度受けることも可能です。
内視鏡手術の後は、胃がんの切除した部分には潰瘍ができるので、それが治るまでにおよそ1ヵ月近くかかります。
そして、お酒やコーヒーなどを控え、たばこはがんを発生させてしまうため、禁煙することが大切です。

胃がんの腹腔鏡手術

腹腔鏡手術とは、内視鏡の一種の腹腔鏡と他の特殊な器具を用いて行う手術法です。
主に内視鏡の治療ができない早期のがんを対象に行っています。
もともとのお腹を切って行う「開腹手術」と比較すると、腹腔鏡手術は次のようなメリットがあります。

<傷が小さい>
手術する際にできる傷が小さく、痛みも少ないです。

<体力の回復の早さ>
傷も小さいため、手術後の早い時期から歩行が可能です。
そのため、体力の回復も早くなります。
歩行は、早い人で手術の翌日から始めます。

<腸へ影響ができない>
開腹手術をした場合、腸までも手で触れるため、手術後に腸閉塞が起こりやすくなります。
しかし、腹腔鏡手術は小腸や大腸に触れないため、腸を傷つける心配もありません。
また、腸閉塞の危険性も低くなります。

腸閉塞・・・手術中に手が腸に触れることで、小腸や大腸の表面を傷つけてしまい、腸同士が癒着してねじれたりする状態のことで、食べ物などが腸を通過できません。
症状としては、「腹痛」「吐き気」などです。

胃がんの腹腔鏡手術の方法

まず、腹腔鏡手術の流れについて説明します。
1.お腹に1cmくらいの孔を5?6ヵ所開けます。
2.その孔から「腹腔鏡」「切除用のメス」「縫合器」などの器具を挿入します。
3.胃とつながっている周りの組織を胃から離します。
4.5cmくらいお腹を切って、そこから胃を引き出します。
5.がんのある部分やリンパ節などを切り取り、胃をお腹の中に戻します。
6.胃と小腸を縫い合わせます。
手術は、モニターに映し出される画像を見ながら行われます。
胃の切除や縫合などは、開腹手術を同じ内容です。

そして、腹腔鏡手術には問題点もあります。
突然出血した場合、開腹手術ではすぐに止血することができますが、腹腔鏡手術では、孔から入れた器具を使っているので、すぐに止血することができない場合があります。
さらに縫合も開腹手術で縫合するより難しいので、縫合した部分の胃の中が狭くなる合併症が起こりやすくなります。
そのほか、医師の技術や手術時間が開腹手術よりかかるなどがあります。
これらの問題点は、医療技術や器具の進歩などによって、徐々に改善されています。

また、腹腔鏡手術を受ける際の医療機関の選び方として、2つのポイントは次のとおりです。
1. 腹腔鏡手術実施件数です。
2.日本内視鏡外科学会で認定された医師のいる医療機関です。
「日本内視鏡外科学会で認定された医師」とは、安全で適切に腹腔鏡手術が出来る技術があり、他の医師にも指導ができる医師のことです。

腹腔鏡手術と開腹手術

胃を切除する範囲は、がんの進行度などで決まります。
そのため、「腹腔鏡手術」「開腹手術」などの手術法で切除する範囲が変わるということはありません。
切除する範囲は、肉眼でがんが発見できない部分にも広がっていたり、リンパ節に転移している可能性もあるので、がんを取り残しがないように、がんの周りの組織も一緒に切除します。

胃がんで最も多い部分は、胃の折れ曲がったところから胃の出口にかけてです。
切除する部分は、胃の出口側の2/3と、胃の周囲のリンパ節を切除するのが一般的です。
逆に、がんが胃の入口の周囲や胃の全体にがんが広がっている場合は、胃を全部摘出します。
この場合、一部で腹腔鏡手術が行われていますが、一般的には開腹手術を行っています。

腹腔鏡手術は、一般的に早期のがんについて行われています。
進行がんに腹腔鏡手術を技術的に行うこともあります。
しかし、進行がんの場合は、切除する範囲も広く、手術時間もかかります。
さらに再発する危険性もあります。
そして、腹腔鏡手術でも開腹手術と同じだけの効果が得られるのか、まだ証明されていません。

腹腔鏡手術の後遺症と対策

胃を切除すると後遺症が現れることがあります。
後遺症の症状で主なものは、次のようなものです。

<ダンピング症候群>
胃の出口(幽門)を切除すると食べ物が胃に留まらず、一度に小腸へ流れ込みます。
そのため、食後2?3時間後に「動悸・吐き気・冷や汗・めまい・脱力感」などの症状が現れます。
これをダンピング症候群といいます。

<貧血・骨粗鬆症>
胃には、カルシウムや鉄分を吸収できるように補助する物質がたくさんあります。
しかし、広い範囲にわたって胃を切除してしまうと、その物質が少なくなってしまい、うまくカルシウムや鉄分を吸収させられなくなり、貧血や骨粗鬆症が起こってしまいます。

<逆流性食道炎>
胃の入口を切除してしまうと、消化液が逆流して胸焼けなどの症状が起こります。
これを逆流性食道炎といいます。
こういった後遺症を少なくするためには「縮小手術」が効果的です。
胃の切除する範囲を小さくすることで、胃の消化機能に対する影響も小さくすみます。
この縮小手術ができるのは、リンパ節に転移している可能性が少ない早期のがんの場合です。

胃がんの化学療法

胃がんに大きな効果が得られる抗がん剤は、以前ないとされていました。
ところが、最近は次々と胃がんに効く抗がん剤が開発されました。
そして、新しい治療法も研究されています。
このように胃がんに対する化学療法が、大きく変化されようとしています。

化学療法を行う主な目的は、2つあります。
1.手術ができないくらいに進行した状態の胃がんや再発したときの症状を軽くしたり、延命のために行います。
2.手術の効果をより高くしたり、再発しないよう防ぐために手術前後に行います。
ただし、化学療法を行っても、完全に胃がんが治るというわけではありません。

化学療法は、「がんが治るか」ではなく、「がんが小さくなるか」によって、効果の有無を判断します。
抗がん剤の使用にあたっては、胃がんが小さくならなくても、増殖を抑制し、副作用が重くなければ、長期間使用し続けます。
化学療法を受けるには、体力を必要とします。
ですから、副作用が重い場合は、使用を中止します。
そして、体力が元に戻るまで待ちます。

胃がんの化学療法の変化

新しく開発された抗がん剤で特に「TS?1」が注目されています。
このTS?1は、抗がん作用がある「テガフール」、抗がん作用を高める「ギメラシル」、副作用を軽くする「オテラシリカリウム」の3つが含まれています。
もともとあった抗がん剤「5?FU」を改良しました。
その結果、2倍以上の効果が得られるようになりました。

また、抗がん剤は、注射や点滴をするため入院が必要でしたが、「TS?1」はカプセル状の飲み薬なので、普段の生活を送りながら治療が受けられるようになりました。
副作用の「吐き気」「食欲不振」「だるさ」「口内炎」「下痢」「白血球の低下」などが起こる頻度が低くなり、症状も軽くなっています。
そして、TS?1のみを使用しても効果が高いです。
さらに、効果を高めるために他の抗がん剤と併用して使用します。
これを「併用療法」といい、研究も進められています。
併用に使われる主な抗がん剤は、「シスプラチン」「イリノテカン」「ドセタキセル」「パクリタトセル」 などです。

しかし、これらの抗がん剤は、注射や点滴で行うため、初めは入院となります。
そして、副作用ですが、脱毛などが現れます。
TS?1のみで治療して効果が見られない人でも併用療法をすることで効果が期待できます。

抗がん剤の使用方法の変化

抗がん剤は、もともとほぼ毎日使用するのが一般的でした。
しかし、体力の低下や副作用がひどいことから治療を中止しなければならない場合もありました。
それが、TS?1を使用した治療は、4週間服用後2週間休むというサイクルで行われます。
抗がん剤を使用しない期間があり、その間に体力の回復させることができます。
そのため、長期間の治療が受けやすくなっています。

また、抗がん剤を使用すると副作用として「吐き気」や「白血球の低下」などがあります。
その副作用を抑制するための薬も開発されています。
特に、「吐き気」に関しては、8割以上の人が改善したという調査結果があります。
副作用が軽減されれば、抗がん剤の使用量を増加させ、より治療の効果も得られるようになりました。
ただし、TS?1は、すべての人に効果があるわけではありません。

しかし、抗がん剤もいろいろ開発されているため、TS?1で効果が得られない人や効果の現れが弱い人などは、他の抗がん剤に替えることで治療を続けていくことができます。

胃がんの補助化学療法

手術だけでは、再発の可能性があったり、治りにくい進行がんの場合、手術の前後に抗がん剤を用いた「補助化学療法」をすることがあります。

<手術前に抗がん剤を使用する場合>
手術前に行われる場合の症状は、「非常にがんが大きい」「遠いリンパ節に転移がある」「がんの近くのリンパ節に多数転移している」「再発する可能性が高い」などです。
手術前の補助化学療法で使用される抗がん剤は、TS?1と他の抗がん剤を一緒に使用します。
通常、TS?1を3週間服用します。
服用開始から8日間は、シスプラチンの点滴を1回します。
この補助化学療法でおよそ55%の胃がんの人が手術前に胃がんを小さくできたという報告があります。
そのため、補助化学療法を手術の前後に行うとより効果が得られると期待されています。

<手術後に抗がん剤を使用する場合>
手術でがんを全部切除したとしても、ごく小さいがんなど肉眼では確認できないがんが、体の中に残っている可能性もあります。
そのため、再発の可能性がある進行がんについては、再発予防のために補助化学療法が行われます。
使用する抗がん剤は、TS?1だけを単独で服用します。
手術後1年?1年半くらいの間に再発が起こることが多く、一般的に手術後1年間を目安に服用します。
胃がんの場合は、手術後3年後の生存率が、TS?1を服用しない人がおよそ70%なのに対して、およそ81%に向上したという報告もあります。
その内容から延命効果もあるとされ、今後は手術後の補助化学療法が行われるようになると思われます。



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